INTERVIEW
“0”から突き詰めた最高の靴磨きで、お客様の笑顔を創りだす【東急ハンズ岡山店】髙原 双絵さん
靴磨き女子部が様々な職種で活躍する女性にインタビューするシリーズ。今回は東急ハンズ岡山店シューケア用品のご担当をされている髙原 双絵(たかはら ふたえ)さんにお話を伺いました。
高原さんは、シューケアマイスターとして東急ハンズ岡山店で、シューケア含め革製品全般のお手入れ方法のご相談、ご提案や実演を交えた接客を担当されています。
―現在のお仕事をするようになった経緯を教えて下さい。
昔からDIYやクラフトで何かを作ったり直したりすることが好きで、はまると突き詰めたがる性格でした。8年前にシューケアの担当になったときは、知識がなく右往左往することが多かったのですが、色々なクリームを使ってみたり、クリーナーの実験を行ったりしているうちに気づいたら靴が増え、クリームが増え、ブラシが増えていました。もっと突き詰めて知って行きたいと考えている時に社内でシューケアマイスターの公募があり2回目で合格し現在に至ります。
―シューケアマイスターとしてお仕事する中で、嬉しかったエピソードはありますか?
対応させて頂いたお客様がご自身でケアをした鞄や靴をもってご来店頂いた時や、新しい靴の相談に来て頂いた時です。 以前、「明日卒業式なんだけど、娘の靴がボロボロで…」と持ち込まれたお父様が思い出深いです。
靴はくたびれて色が抜けていましたが、ケアしたらまだまだ履ける状態でした。購入いただいたケアセットで一緒にケアをし、きれいになった靴を見て「卒業式が終わったら捨てようかと思っていたけど、まだまだ履けそうだなぁ」と言って頂きました。後日娘さんと一緒に再来店され「靴が汚いのはわかっていたけど、どうしたらいいかわからなくて放置していた靴がきれいになって本当に嬉しかった」と。
お客様に喜んで頂けた事、これから歩んでいく一歩の手助けが出来た事が本当に嬉しくこれからも喜んで頂けるような接客が出来たらなと思っています。
―心温まるエピソードですね。
きれいに変わることを諦めかけていたお二人にとっては、本当に嬉しい出来事だったんでしょうね!人生の中でも記憶として残る大事な卒業式。きっとお父さんも娘さんも晴れやかな気持ちで迎えられたんではないでしょうか。
―今後、お仕事についての展望はありますか?
シューケアのワークショップで東急ハンズ主催ではないワークショップに呼んで頂き、ワークショップをおこなった際に「どこでシューケア用品を売っているのか、どうしたらいいかわからない」という声をよく聞きます。なので、もっとシューケアを知って貰うことが1番の目標で、メイク用品を選ぶようにシューケアアイテムを楽しんで選んで貰える場所にしていきたいと思っています。
―髙原さんのファッションに関するお話を教えてください!靴は何足くらいお持ちですか?好きなブランドはありますか?
革靴は20足持っています。Church‘s(チャーチ)やchausser(ショセ)の靴の形が好きで気づいたら増えています。
お気に入りはChurch‘s(チャーチ)のバーウッドヒールとDr.Martens(ドクターマーチン)のサロメです。ヒールが高い靴は履くと気合いが入るので気に入っています。これからが楽しみな靴はchausser(ショセ)のナチュラルコードバン です。なかなか我儘な靴ですが飴色になるのを楽しみに可愛がっています。可愛がりすぎて履けないのが悩みです。
―新たに靴や服を迎え入れるときに、意識していることがあったら教えてください。
自分の好きなファッションを長く楽しむために本当に好きなアイテムを選ぶようにしています。好きなアイテムだとやはり大事にしたくなるので、大事にしたいか問いかけるようにしています。
―靴や洋服を大切にするために習慣としていることはありますか?
面倒くさくなる前に、勢いでお手入れをやってしまうことです。帰って一息ついてしまうと動けなくなるので、靴にブラッシングし、除湿剤を入れ、上着に洋服ブラシをかけるまでは何も考えないで勢いで出来るようにしています。動線にケアするものを配置しているのが、習慣として続けられているポイントです。ほこりだけは払って置くと、トラブルが起きても最小限で抑えることが出来るので、毎日1分でできるケアを大切にしています。
―靴磨きをするときのおすすめグッズや方法について教えてください。
服や季節によってクリームを使い分けて、服の印象と靴の印象を合わせるようにしています。冬はツヤが強くしっとり仕上がるクリーム、夏はさらりとマットに仕上がるクリームでケアしています。
靴クリームでは昔からENGLISH GUILD(イングリッシュギルド)が好きです。ぎらつき過ぎない強いツヤ感と保革された革のしっとりした仕上がりがお気に入りです。使用したことがない方が多いのですが、名品なのでぜひ使ってみていただきたい靴クリームです。
あとは、どんなに面倒でも、ほこりだけは落とすことです。ひと手間かけるだけで後々のケアが楽になるので、まずはブラッシングから初めてみることをお勧めします。たまに行うサプライズより、毎日のささやかな気遣いが大切です。
―髙原さんの靴の保管や靴箱のレイアウトなど、こだわりをお聞かせ下さい。
以前カビを発生させてしまってから、2週間に1度は靴箱の中の空気を入れ替えて湿気を飛ばすようにしています。靴箱が湿気やすい場所にあるので、半年に1度はM.MOWBRAY プレステージ「モールドクリーナー」で靴箱の中を拭いてカビと戦っています。
―おすすめの革靴やシューケア用品はありますか?
「革靴って重い」と感じたことがある人には、SPACE CRAFT(スペースクラフト)革靴の馬ヌメをおすすめします。スニーカーのような軽さ、革の足なじみの良さを体験できる一足です。さらにヌメのエイジングも楽しめるので革靴の良さを楽しめます。
おすすめのアイテムは色々ありますが、長く使える馬毛のブラシが、最初はおすすめです。
私が使っている馬毛ブラシは、ずっと平野ブラシです。少し持ち手が反っているので手が動かしやすく疲れにくく、毛にハリがあるので素早くほこりが落とせるので面倒くさがりな私にぴったりです。
平野ブラシ×M.MOWBRAY のブラシシリーズは、今では廃盤となってしまったため、これから買うならSANOHATA BRUSH(サノハタブラシ)か東急ハンズオリジナルブラシが持ちやすいのでおすすめです。
―お忙しい毎日だと思いますが、日々の暮らしで、リフレッシュ方法や心がけていることはありますか?
休みの日は猫とほとんどの時間を過ごしています。のびやかに寝ている猫を見ている時間が一番癒されます。最近はレンガの階段を作ったり、色々とDIYもしたりしています。居心地の良い空間を作ってのんびり猫とコーヒーを飲んでいる時間が良いリフレッシュになっています。
あとは、心を空っぽにする時間を作ること。仕事や生活も趣味も追いすぎると追われて疲れてしまうので、いっぱいいっぱいになる前に一度空っぽにして、取捨選択をするように心がけています。
―靴磨きのおすすめグッズや方法など、ライフスタイルにも取り入れやすい情報をありがとうございました。
「どんなに面倒でもほこりだけは落とす!」毎日のひと手間が、後々のお手入れを楽にする。シューケアマイスターからのお言葉はズドンと心に響きました。
髙原さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
東急ハンズ岡山店では、シューケアイベントに関しては不定期で開催されています。イベント情報は下記のホームページにてご案内されています。是非、定期的にチェックしてみてください。
東急ハンズ岡山店HP https://okayama.hands.net/
東急ハンズ岡山店Twitter https://twitter.com/Hands_Okayama