INTERVIEW
≪後編≫知れば知るほど、どんどん愛おしくなるセレクトショップ【インタレスト】
飯田橋の駅を降りて神楽坂を上っていったその先。
路地裏に立つ看板を頼りに進むと見つかる
セレクトショップ「インタレスト」。
洋服そのものに焦点を当て、ずっと一緒にいたくなる洋服、
知れば知るほど、どんどん愛しくなる洋服を扱っているお店です。
そして、そのためのお手入れのことについても
細かくお店やブログで提案をしてくれる
洋服好きには嬉しいお店。
そんな洋服好きなスタッフの方に
「お手入れ」についてインタビューしてきた後編です。
インタビュー前編は こちら からご覧ください。
靴磨き女子部(以下S) こんにちは!前回に引き続き、お手入れ
に話題を絞ってインタビューしていきますね。よろしくお願いします。
インタレスト(以下I)こちらこそよろしくお願いします!
革底に穴が…
S 好きなメンテナンスはありますか?
I そうですね…コバのケアが好きです!すごく変化が出て綺麗になったのが分かるので!一番擦れますし。
S 渋い(笑)先ほど、敢えてハードに履いている、と仰っていましたが印象に残っているトラブルってありますか?
I そうですね…。お店のブログでも紹介しているのですが、私自身が一番慌てたのはソールに穴が開いてしまった時です。
S 革底が貫通してしまった?
I はい。最初穴が開いたのだと分からなくて、どうなってしまったのかと…。
S 慌ててしまいますよね。あまり良くない保管の仕方でもしてたんですか?
I 店長から言われていた革底のメンテナンスをなおざりにしてしまっていて。ちゃんとやっておけば良かった!ごめんなさい!!って慌ててしまいました。
結論から言えばそういうわけではなくて革底が摩耗していて穴が開いてしまったんですけどね。ブランドに相談して、応急処置として前半分にラバーを貼ってもらいました。
S 他にはありますか?
I 大雨でビショビショにしてしまったこともあります。夕立に遭ってしまって、靴全体が2トーン位濃くなってました。
S その後のケアはどうしましたか?
I まずはゆっくり乾かさないといけないと店長から言われたので、1週間陰干ししました。全体が濡れたからかシミはできていなかったのでそのまま汚れ落としをして、靴クリームをしっかり入れてあげました。
S ばっちりですね。特にダブルソール(ソールが二枚重なっている構造)なのでしっかり乾燥させないとカビのリスクもありますし…。
I ソールにもソール用の栄養剤を入れないといけませんし!
S 靴を履いていくうえでぶつかるトラブルはほとんど乗り越えてきてますよね。
I 最初は店長のようにこういう場合はこれです、とか言えなかったんですけど、経験を積むうちに自信を持ってお客様にお手入れをお勧めしたり、実際にお手入れをしてお渡しできるようになりました。私たちにはわからない場合でも、ブランドの方が対応して直してくれることも多いので困ったらぜひ相談してほしいです!
S そうですよね。街には色々な修理屋さんもありますし、kokochi sun3のように対応してくれるブランドもあるので、あきらめる前に相談してみるのは大切だと思います。
お手入れが当たり前じゃなかった
S ちなみにそのブーツはあと何年くらい履きたいですか?
I 何年くらい…そうですねぇ…。ずっと履きたいです!ほかの靴ももちろん好きなんですけど、もう一生履きたいです。最後は死んだ時に一緒に棺桶に入れてほしい!履かせてから焼いてほしい!
S いいですねそれ!残ったシャンクは骨壺に骨と一緒に入れてもらうみたいな(笑)名言ありがとうございます!
I 本当に一生寄り添いたくなる洋服や靴があるって幸せだと思います。
ダメになったらまた新しいものを買って、ではなくて本当に好きな洋服や靴と長く寄り添っていただけたら素敵だと思っていて。着れば着るほど、知れば知るほど、どんどん愛しくなる、そんな洋服そのものの楽しさやおもしろさをお客様にお伝えしていきたいんです。
S そのためには、お手入れも欠かせませんよね。
I そうなんです。お客様のお手元に届いたら終わりではなくて、そこからずっと一緒にいられるようなお手入れのこともお伝えしています。
S ブログでのお手入れについての記事も詳細に書かれていますよね。「クロムなめしにはシュークリームジャー、ベジタブルタンニンなめしにはクリームナチュラーレ」って話にはしびれました。本当にここはレディースの洋服のセレクトショップなんだろうかと(笑)
I その辺りはお店のきっかけにもつながるんですが…
S お店を開くきっかけですか?
I はい。元々、私と店長は同じ会社に勤めていたんです。その時に店長の洋服がいつもきれいで。訊いてみると、何年も着ているものだって言うんですね。全然傷んでいなくて、ものもちが良いんだと驚きました。
S 店長さんの「きれいな洋服」の秘訣ってなんだったんですか?
I 店長はお手入れを当たり前のようにしていたんです。例えば、帰宅したら靴や洋服にブラシをかけてその日のホコリを落としてあげたり、コートを着ている時は肩から鞄をかけなかったり、電車の中ではコートを脱いだり。
S 電車でコートをわざわざ脱ぐんですか?
I 冬場の電車は暖房がきいているので汗をかきますよね。皮脂汚れは生地をどうしても傷めますから、汗をつけないように、と。同じ理由でコートの時は中に襟付きのシャツを着ていることがほとんどですね。
S すごい…!
I 私もすごく驚いたんですが、それが当たり前でないことに店長は逆に驚いていました。色々洋服について教えてもらってから、自分で洋服を買いに行ったときに素材のことやお手入れのことを店員さんに聞くと困惑されてしまうことも多くて。そういうことまでこだわっているお店が女性向けのお店では少ないのかと感じて、そういうお店があったらなというのがきっかけでした。
S だから、ブログでも商品についての素材や製法にも詳しく紹介していて、お手入れについても力を入れているんですね。
I はい。お手入れをするようになってから、もっと洋服が好きになって。そういう面白さをたくさんの方に知っていっていただきたいです。だってコート、家電より長くもつんですよ!
S 確かに!
I 色の淡い洋服はどうしても汚れてしまうので、いつかは藍染めや草木染で染めてしまうこともご提案しています。各ブランドのイベントの時はお買い上げいただいた洋服以外の私物の染めもお受けしています。
S 本当にいろんな楽しみ方ができますね。ワクワクします!
I どんなに良質な物であっても、着るだけでは長くはきれいに着られませんし、丁寧にお手入れをしていても白い洋服の黄ばみのように避けられないこともあります。着ていれば突然汚してしまったり、どこかほつれてしまったりボタンをなくしてしまったり、トラブルが起きることもあると思います。長く付き合えるモノと長く付き合えるように、「一生もの」を実現できるように、できる限りのサポートをさせて頂きたいです。何か困ったときは諦めないでご相談していただけたらと思っています!
S 靴クリームで汚してしまったシャツがあるので持ってきますね!今日はありがとうございました!
I 藍染めですね(笑) ありがとうございました!
洋服を楽しむ神楽坂のお店
インタレスト
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定休日 火曜日
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