INTERVIEW

先輩に磨いてもらった靴がシューケアの原点(ハンズ新宿店 阿部真生さん)


靴磨き女子部が様々な職種で活躍する女性にインタビューするシリーズ。
今回はハンズ新宿店6階フロアにあるシューケア用品のご担当をされている阿部 真生(あべ まお)さんにお話を伺いました。

ハンズ新宿店 阿部 真生 さん


阿部さんはハンズ新宿店で、シューケア含め革製品の全般のお手入れ方法のご相談、ご提案や実演を交えた接客をされています。


このお仕事をするようになった経緯を教えてください。
(ターニングポイントとなった出来事や、影響を受けた物などがあれば教えてください。)


お給料で初めて自分で買った革靴を当時の先輩がきれいに磨いてくれて、それをきっかけに自分でもやってみたいと思って勉強を始めました。
そのあと担当商品の入れ替えのタイミングがあり、シューケアの担当になりました。


ーご自身のお仕事の、一番のやりがいは何ですか?


革靴が好きな方や、これからお手入れを始めてみたい方とお話をした後に「ありがとうございます!」と言って自分が紹介した商品を選んでいただけるとやはり嬉しいです。


ー日々のくらしの中で心がけていることはありますか?


今まで考えたことがあまり無かったのですが…『無理をしない』でしょうか..

ー靴は何足くらい持っていますか?また、好きな靴のブランドはありますか?


15足ほどで、一番持っているのはBIRKENSTOCKです。
「LALAMIE」が一番好きで、色違いで3足持っています。
Parabootも丸みのある形が可愛らしく、革靴でもカジュアルに使えるのが良いと思います。
甲に飾りのあるデザインが好きなので「VOGUE」や「NYONS」、「ORSAY」は心惹かれます。


ー1番のお気に入りの靴、レザーアイテムは何ですか?
お気に入りの理由や、思い出、またその靴にまつわるエピソードがあれば教えてください。



BIRKENSTOCKのLARAMIEライトブラウンです。先ほどの質問でもお話しした初めて買った革靴です。まさに「シューケア、革靴人生の始まりの靴」です。
それとJOSEPHCHEANEYのKISDONGVバーガンディ。ずっと同メーカーのCAIRNGORM2Rが好きでウィメンズモデルを出してほしいなと思っていたら発売され、即決で買いました。色合いも革の表情も大好きで、手持ちの中で唯一名前を付けました。笑

ー「シューケア、革靴人生の始まりの靴」 、良い響きですね。
初めて買った革靴がBIRKENSTOCKのLALAMIEライトブラウンと思い入れの一足になられたと思うのですが、この革靴の購入の決め手になったことや、まつわるエピソードがありましたら教えてください。



昔からBIRKENSTOCKのサンダルは愛用していたのですが、
たまたまショップに行ったときに見かけた「LALAMIE」のデザインに一目惚れして買いました。
なので買った当時はお手入れの知識などは全くなく、周りの人たちに色々教わりながら育てた一足です。

BIRKENSTOCK LARAMIE ライトブラウン


ー普段、靴、レザーアイテムのお手入れはしていますか?
 また、ケアのこだわりがあれば教えてください。


お手入れしています。
プライベートでケアをするときのこだわりは、クリームを塗るときに、布やブラシを使うのではなく「手」で塗っていることです。革の感想状態に合わせて、手で塗り加減を調整しています。
また、 靴であれば豚毛ブラシ・乾拭きは一番入念にかけるのがお手入れのこだわりです。


ー阿部さんのおすすめのクリームなどがありましたら教えてください。


ハンズ×M.モゥブレィ シューシャインクリームがおすすめです。
今までの靴クリームの「固い」、「溶剤臭い」などといった靴クリームの概念を払拭するようなクリームだと感じています。
傾けると流れるぐらいの柔らかいクリームは革の上でもとても伸ばしやすいんです。また、化粧品でも使用されるオイルが入っているので、しっかりと革の保湿ができることに加え、磨きあがりのツヤがばっちり出る「いいとこどり」ができる商品です。


ーご自身の靴の保管や靴箱のレイアウトなど、こだわりをお聞かせください。


これといったこだわりはないのですが保管方法として、帰宅後はすぐにシューキーパーを入れます。
革は湿気・水分が抜ける時に形が決まるので、私は帰宅後すぐに入れて履きシワを伸ばした状態で湿気を飛ばせるように、その習慣が身につきました。


ー足元やファッションでこだわりはありますか?


最近は柄物や単色でも編み目があるような靴下を選ぶことが増えました。


ーおすすめの靴やアイテム、または挑戦したい靴やアイテムを是非ご紹介ください。


コードバンはやっぱり永遠の憧れですが、ヌメ革の小物を自分でアメ色に育てるのもやってみたいです。色々な事に挑戦してこれからも知識の引き出しを増やしていきたいです。

ー阿部さんのコードバンに対する印象やどのような部分に憧れがあるのかを教えてください。


しっとりとしたコードバン特有のツヤは「革のダイヤモンド」と言われているように、繊細な素材なので本当にケアが好きな人じゃないと持てない印象があります。
また、近年の原皮の価格高騰の影響で金額的に手が届きにくいのもあり、一度は履いてみたい憧れの靴です。


ーコードバンはやはり革靴好きには避けては通れない憧れですね。
 最後に阿部さんの今後の展望についてお聞かせください。



「ここのお店の方と話したい!」と思ってお越し頂けるようにこれからも日々、シューケアの勉強をしていき、お客様のご要望やお悩みに寄り添える販売員でいられるようにしたいです。


ーシューケアのこだわりや、おすすめのクリームなど参考にしやすい情報をありがとうございました。
「シューケア、革靴人生の始まりの靴」、とてもいい言葉です。
初めて購入された革靴をケアして、大切にされている阿部さんの革靴に対する思いが伝わりました。

阿部さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。



2022-12-27 | Posted in INTERVIEWComments Closed