INTERVIEW
こだわりのものを長く愛用する【SAYURI TANEI】種井小百合さん
靴磨き女子部が様々な職種で活躍する女性にインタビューするシリーズ。 今回はSAYURI TANEIの代表取締役兼デザイナーの種井さんにお話を伺いました。

―現在のお仕事内容を教えてください。
種井さん:レディースのオーダーテーラーと、フランス製のオリジナル革製品を販売しています。 また、テキスタイルメーカーさんの為に商品開発やコンサルティングもしています。
10年間ほどパリにてデザイナーとして働いていたのですが、オートクチュールコレクションのデザインに関わるお仕事をしていました。その中で職人さんと一緒にこだわりの一品を作るオートクチュールや、オーダーメイドのモノづくりに興味を持つようになり、職人さんと一緒に物を作る会社を作りたいと思ったのがきっかけでTANEI SAYURIを立ち上げました。
―パリでの経験が、現在のお仕事に繋がっているのですね。パリでのデザイナーのお仕事についても教えていただけますか?
種井さん:パリでは、ジャンポールゴルティエとKENZOでデザイナーとして働いていました。
はじめにジャンポールゴルティエに務めて、その後にKENZOでデザイナーをしていました。
KENZOで働くようになったきっかけがとても不思議なんですよ。
パリの百貨店前を自転車で走っていた時、特徴的な髪形の男性とすれ違ったんです。
昔からKENZOのファンで、賢三さんだと分かった瞬間、自転車を方向転換させて賢三さんを追いかけて声をかけていました(笑)
ファンであることや、ジャンポールゴルティエでデザイナーとして勤めていたことをお話ししたのですが、その時に「新たなデザインをやることになっていて、人手が足りていなくて困っている」とお話いただきまして・・・このことがきっかけで、KENZOで勤めるようになりました。
―偶然の出会いからKENZOでのデザイナーとしてのキャリアをスタートさせたのですね!とても運命的で、すてきなきっかけです。
―パリでの経験を経て、ご自身で立ち上げた「SAYURI TANEI」についてお聞かせください。「SAYURI TANEI」というブランドで、大切にしているポイントはありますか?
種井さん:「素材へのこだわり」は常に大切にしている部分です。私生活においても言えることなのですが、良いものを長く愛用することを大切にしており、お客様にも「良いものを長く使ってもらいたい」という気持ちが大きくあります。ウール、シルク、革といった素材が個人的にとても好きなので、こういった良い素材を使用して製品を創るようにしています。
―「素材から大切にする」という考え、とても素晴らしいですね。
私たちも革靴のケア用品を取り扱っているので、「良いものを長く愛用する」という考えにとても共感できます。
―本日実際に、種井さんが手掛けているセットアップを着てきていただいているのですが、なんといってもこのデザイン!
とても特徴的なデザインですよね。
種井さん:デザインに関しては、ジャンポールゴルティエの影響が大きいかもしれないです。マドンナやナオミ・キャンベルといった、「かっこいい女性」を象徴とする方が多く着用していたので、デザインも「かっこいい女性」をイメージしたデザインが多かったんです。
「良い素材」ってキリっとしたメンズ服が多いイメージがありますよね。あえてメンズライクなテイストを取り入れてかっこよさを出しつつ、女性らしさも忘れないようにバランスをみながらデザインをしています。


―「メンズライクな女性らしいデザイン」、女性らしさだけではなく、かっこよさも兼ね備えたSAYURI TANEIのオリジナルテーラーは絶妙なバランスで洗練されたデザインが誕生しているのですね。
今履いていらっしゃるレースアップシューズも一際目を引いて、素敵な靴ですね。
種井さん:この靴は、パリのパティーヌ靴を販売しているAltan Bottier Paris(アルタンボティエパリ)のものです。

種井さん:メンズシューズがメインの靴屋さんなのですが、少量レディスのパティーヌ靴も販売しており、一目惚れして購入しました。パティーヌ革独特の色合いや形の美しさが気に入っています。街中を、これを履いて歩くと、「ほかの人と違うな」と感じて優越感に浸れるんです(笑)それくらい自慢の靴です。
実はこちらの靴屋さんとコラボレーションしてバッグを製作しています。
―パティーヌのバッグを見せていただきました。

―とても深みのある色ですが、光の当たり具合で全然違う色に見えますね。
種井さん:そうなんです。職人さんが一層一層丁寧に色を塗り上げてくださっているので、黒や紺といった単色のバッグだとしても色合いが違ってきます。独特の色合いで、一際違う雰囲気としているところが気に入っています。パリでこのパティーヌを見てすぐに、「ここの革で作りたい」と思いました。
―この色調が素敵すぎて、ずっと見ていられますね。街中でなかなか見かけないような色合いで、自分が人より一歩先をいっている気分になりそうだなと感じました!
種井さん:ありがとうございます!
私が感じた、このパティーヌに出会った衝撃というものを、みなさんにも感じてもらえるととても嬉しいですね。
お客様がどのようなものを求めているのかをヒアリングして、お好みに合うもの、またお客様が今まで持ってきたものとは一味違う商品を共に作り上げていくことが、私のいましている仕事での一番のやりがいなんです。
お客様に商品を迎え入れていただき、その商品を長く愛用してもらうために、これからも品質とデザインにこだわりをもって商品を生み出していきたいです。

種井さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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